しつけについて
しつけについて
わんちゃんは野生の世界では群れで生活する動物です。群れの中では順位が決まっていて下の順位の動物は上の順位の動物に逆らえません。
ペットとして存在する現在でも自分の順位を常に気にしているのです。ワンちゃんが群れ(家族)のボスになったら大変です。我がままし放題の手の付けられない状態になってしまいます。
しつけをすることで、群れの一番下の順位にしてあげることが重要です。
しつけの基本
言葉を統一する
わんちゃんは単語で言葉を理解します。同じ『おすわり』でも、お父さんは『シット』、お母さんは『おすわり』、お子さんが『座れ』ではわんちゃんが混乱します。指示する言葉は家族で統一しましょう。
家族みんなでしつける
しつけの仕方が正しいのに上手くいかない原因として、家族の意思統一が出来ていない場合があります。お母さんとお子さんが頑張ってしつけてもお父さんが甘やかしたら意味がありません。家族みんなで協力してしつけましょう。
しつけは短時間で
わんちゃんの集中力は10分が限界と言われています。だらだら時間をかけてしつけても効率が悪いだけでなく逆効果になる場合もあります。
基本的なコマンドの種類
おすわり
『おすわり』は全てのしつけの基本です。『まて』や『伏せ』もおすわりの体制から始まります。一番最初にマスターしましょう。
しつけの手順
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Step01
まず、1粒のご褒美を用意しましょう。飼い主がご褒美を手に握り、犬の視線よりも少し高い位置に上げてみてください。犬はごほうびにつられて上を向き、自然と腰を落として「おすわり」の状態になるはずです。もし腰を落とさなければ、最初は人が犬の腰を押えておすわりの体制にさせても構いません。
『おすわり』と声をかけ、犬がおすわりの状態になった瞬間に手からごほうびを与え、褒めてください。ここで重要なのは『おすわり』の号令はおすわりする直前、1回きりということです。『おすわり、おすわり、おすわり・・・』と連呼してたまたま座ったとしても、それはあくまで偶然です。
犬は『おすわり』の指示と『おすわり』の行動を結びつけていません。 -
Step02
『おすわり』が出来るようになったら、ご褒美の回数を減らしていきましょう。
毎回ご褒美を与えていると指示されたから『おすわり』をするのではなく、ご褒美が欲しいからおすわりをするようになってしまいます。
ご褒美と褒め言葉を与える時と、褒め言葉のみの時を作ります。
段々とご褒美を減らし、最終的には褒め言葉だけにします。 -
Step03
どんな状況でも指示に従うように、場所や時間を変えていきましょう。
例えばお散歩中や、知人の家、他のわんちゃんと挨拶するとき等で出来れば完璧です。
まて
『まて』はわんちゃんにとって集中力と忍耐力が必要なしつけになります。家の中での生活や散歩でも覚えていると役に立つしつけなので頑張って覚えましょう。
しつけの手順
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Step01
おすわりの指示をだし、おすわりの状態にさせます。おすわりの状態から手のひらで犬の前を遮るようにして『まて』と言います。1秒だけ『まて』ができたらご褒美を与え、褒めてください。2秒、3秒・・・と徐々に『まて』が出来る時間を延ばしていきます。
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Step02
その場での『まて』が出来るようになったらワンちゃんから1歩離れてみます。まてが出来たら戻ってご褒美を与え、褒めてください。2歩、3歩・・・と徐々に『まて』が出来る距離を伸ばしていきます。
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Step03
『まて』は犬に我慢させるしつけですが、『よし』は解放させるしつけです。『まて』をした状態で離れていき、犬がじっとしていたら『よし』と声をかけて腕を広げて犬を誘ってみましょう。
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Step04
『まて』が出来るようになったら、ご褒美の回数を減らしていきましょう。ご褒美と褒め言葉を与える時と、褒め言葉のみの時を作ります。 段々とご褒美を減らし、最終的には褒め言葉だけにします。
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Step05
どんな状況でも指示に従うように、場所や時間を変えていきましょう。例えばお散歩中や、知人の家、他のわんちゃんと挨拶するとき等で出来れば完璧です。
伏せ
『伏せ』は地面に伏せる姿勢で、ワンちゃんにとっては快適でリラックス出来る姿勢です。長時間犬を待たせるときは『まて』より『伏せ』の方が負担はかかりません。
しつけの手順
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Step01
ご褒美を用意し、犬を『おすわり』の姿勢にします。鼻の先にご褒美を持っていき、そのままご褒美を床に持っていきます。犬はご褒美を追って床に鼻をつける状態になり、自然と『伏せ』の姿勢になります。『伏せ』の姿勢になる直前に『伏せ』と命令し、犬が伏せの状態になった瞬間に手からごほうびを与えましょう。
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Step02
『伏せ』が出来るようになったら、ご褒美の回数を減らしていきましょう。毎回ご褒美を与えていると指示されたから『伏せ』をするのではなく、ご褒美が欲しいからおすわりをするようになってしまいます。ご褒美と褒め言葉を与える時と、褒め言葉のみの時を作ります。 段々とご褒美を減らし、最終的には褒め言葉だけにします。
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Step03
どんな状況でも指示に従うように、場所や時間を変えていきましょう。例えばお散歩中や、知人の家、他のわんちゃんと挨拶するとき等で出来れば完璧です。
ハウス
『ハウス』のしつけはお客さんが来たとき、外出先でキャリーに入れる時に出来ると便利です。傍から見ていると、すごくお利口なワンちゃんにみえます。
『ハウス』のしつけの前に『クレート』を用意しましょう。クレートの大きさは中で体の方向転換ができ、寝そべることができる程度が理想です。ペットショップで購入できますので店員さんに相談してみてください。
しつけの手順
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Step01
ご褒美を用意し、興味を引きましょう。『ハウス』と声をかけながら犬を誘導し、クレートに足を踏み入れた直後にごほうびを与えます。
わんちゃんはクレートに入るとご褒美をもらえることを学びます。
何度も根気強く繰り返して下さい。 -
Step02
『ハウス』が出来るようになったら、ご褒美の回数を減らしていきましょう。毎回ご褒美を与えていると指示されたから『ハウス』をするのではなく、ご褒美が欲しいからおすわりをするようになってしまいます。ご褒美と褒め言葉を与える時と、褒め言葉のみの時を作ります。 段々とご褒美を減らし、最終的には褒め言葉だけにします。
散歩
街ではよく犬を散歩しているのではなく、犬に散歩させられている飼い主様を見かけます。犬の散歩で注意する点が飼い主様が先頭で歩くということです。そうすることで拾い食いを防ぐことができ、犬が飛びついて他人をケガさせる事故を防ぐこともできます。
しつけの手順
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Step01
胴輪ではなく、首輪を用意してください。胴輪では引っ張っても犬が苦しくないのでしつけには全く効果ありません。
- 犬が人より前に出た時
- 地面や電柱の臭いを嗅いだ時
- 勝手に方向転換しようとしたとき
- 他人や他のわんちゃんに向かって行こうとしたとき
以上の時はリードを強く引っ張ってください。
ポイントとしては普段はリードを弛ませておいて、悪い行為の瞬間にのみリードを引っ張ることです。ずっと引っ張られて綱引き状態になっている状態は全く意味がありません。 -
Step02
散歩に出ると興奮する場合。散歩に出ると興奮して暴れる犬もいます。興奮して激しくなる犬の散歩でのしつけは、「おすわり」「待て」を命令して、犬が落ち着くまで待ちましょう。
問題行動のしつけ
甘噛み
甘噛みとは人の手や足を噛む行動です。子犬の甘噛みを許しているとエスカレートして怪我を負うことにもなりかねません。甘噛みを可愛いと思わないで小さいうちからしつけていきましょう。
しつけの手順
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Step01
散歩や噛んでも良いおもちゃを与えてストレスを発散させてください。ただし、そのおもちゃで引っ張りっこをしないでください。あくまで一人遊び用です。
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Step02
興奮させない環境づくりをしてください。手でじゃらして遊んだり、紐や布・おもちゃで引っ張りっこをしないでください。興奮しやすくなります。また、人が家に帰ってきたとき・ケージから出した時は嬉しくて興奮していますのでその時は5分くらい無視しておいてください。
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Step03
甘噛みが始まったらサークルに入れて無視してください。人の手を噛むと遊びが中断される経験から、噛んではいけないことを学習していきます。
トイレのしつけ
犬のしつけで、早いうちに教えておきたいのが、トイレのしつけです。 犬は、本来とてもきれい好きな動物です。 しつけ方さえ間違えなければトイレのしつけはどんな子でも出来ます。
しつけの手順
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Step01
トイレを設置する。ワンちゃんは綺麗好きなので常に清潔にしてあげてください。臭いや汚れは厳禁です。 トイレの設置場所は落ち着ける場所(トイレの躾が完了するまではサークル内とサークルの外に1つずつトイレを用意すると良いでしょう)
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Step02
トイレのサインを見逃さない。わんちゃんは寝起き・食後・遊んだ後にトイレに行くパターンが多いです。そわそわして床の臭いを嗅ぎ、クルクル周りはじめたらトイレに連れていきます。
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Step03
トイレで排泄を始めたら『ワンツー・ワンツー・・・・・』と声をかけてあげましょう。そうするとわんちゃんは排泄と「ワンツーワンツー」という掛け声が結びついていきます。 ワンツーワンツーと声を掛けられていると、安心して排泄ができると覚えこませることが重要です。上手くいくと『ワンツー』の掛け声で排泄を促すこともできます。
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Step04
トイレで上手く排泄が出来たらご褒美を与えてよく褒めてあげましょう。トイレのしつけは褒めることが基本です。失敗しても何度も根気強く繰り返してください。トイレのしつけの最大のポイントは怒らないことです。ワンちゃんはおしっこやウンチをして何故怒られたのかが理解できません。オシッコしただけで怒られると理解してしまい、排泄すること自体が「よくないこと」と判断するようになります。万一粗相をしてしまっても決して怒らずに、騒がずに掃除しましょう。
食糞
子犬の食糞行動のほとんどは成犬になるにつれて治ってきます。基本的に健康な便であれば食べてしまっても健康上の問題は無いのですが、他の子の便も食べてしまう場合は特に、寄生虫などの感染の原因となることがあります。また、クセになってしまうとなかなか治りにくくなることも多いので、早めの対処を心がけるようにしましょう。
しつけの手順
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Step01
まずは食べる状況にさせない事が大切です。普段から便をしたら出来るだけすぐに片付けるよう心がけてください。
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Step02
お留守番の時だけ食べるようなら退屈が原因の可能性があります。お留守番の時だけ安全なおもちゃを与えてみると良いでしょう。
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Step03
消化不良や吸収不良の場合、便に栄養分が残っているため食べようとします。寄生虫が居る場合や、腸内細菌叢が乱れている場合もありますので、検便をして必要であれば駆虫薬や整腸剤を投与する事で落ち着く場合もあります。
また、フードと似た臭いが残っているため食べていることもあるので、フードの種類を変えてみると便の臭いが変わって、興味が減ることもあります。 -
Step04
ペットショップさんで、飲ませるとウンチが苦い味になるサプリメントなども販売されているので、それらを利用してみるのも良いでしょう。
吠え癖
一言で吠え癖といっても様々な原因があります。大きく分けて、「要求吠え」「威嚇吠え」の2つに分類できます。
要求吠え
基本的には要求に答えないで下さい。自分の要求が通るとエスカレートします。
- 遊んで欲しいからと言っても遊ばない
- ケージから出してほしいからと言っても出さない
- ご飯やおやつが欲しいと行っても与えない
威嚇吠え
家にいるときのインターホンの音、散歩中すれ違う犬や人に対しての吠え癖となります。
それぞれによって対応が違いますが、いずれも大きな問題に発展します。お家の方の睡眠障害・ご近所とのトラブルでノイローゼになってしまう方も少なくありません。早期に対処すれば早めに治りますのでご相談ください。