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フェレットの診療

フェレットの診療

フェレットは活動的で、好奇心が強く人にも良く慣れることから、世界中で広く飼育されています。寒さには比較的強い動物ですが、暑さには弱いようです。暑いときはなるべく通気の良いところにおいてあげるようにして下さい。
排便、排尿はケージの角でする習性がありますので、それを利用すれば簡単にトイレのしつけができます。
食事は、現在フェレット用のフードが市販されているので、それを利用すると良いでしょう。水は給水ボトルで与えると汚れにくく衛生的です。
フェレットは好奇心旺盛で何でも齧る習性があります。電気コードを噛んで感電したり、異物を飲み込まないよう注意しましょう。

病気の予防

ワクチン接種

フェレットは犬ジステンパーウイルスに非常に感受性が高く、感染した場合ほぼ100%死亡します。必ずワクチン接種をするようにしてください。
しかし、現在日本国内においてはフェレット用のワクチンは入手することができず、やむを得ず犬用のワクチンを利用しているのが現状です。当院では国内での使用頻度の高い『ノビバックパピーDP』を使用していますが、あくまでも犬用に認可されているものであることをご了承下さい。
8週齢で1回目の注射をして、12週齢2回目の追加接種をします。その後は年に1回の接種をしていきます。

予防できる病気

フィラリア症
蚊によって媒介されるフィラリア症は、犬の病気として有名ですが、フェレットも犬と同様にこの病気にかかります。犬に比べ体が小さいため、フィラリアが1匹感染しただけでも死に至ることがあります。予防は、犬と同様に4月下旬から11月下旬頃まで、毎月1回予防薬を投与します。
インフルエンザ
人のインフルエンザがフェレットに感染することがあります。症状は発熱、鼻汁、くしゃみ、結膜炎等です。7~14日で治るケースがほとんどですが、幼若フェレットでは重症になることがあります。また、感染したフェレットから人にも感染することがありますので注意が必要です。残念ながらインフルエンザのワクチンは利用できません。
ノミ
フェレットにもノミがよく見られます。猫用のノミ駆除剤が利用できます。

代表的なフェレットの疾患

リンパ腫

フェレットに多い腫瘍です。全身のリンパ節・脾臓・骨髄にリンパ球の腫瘍細胞が広がり、元気食欲の低下が見られます。エコーで腹腔内のリンパ節を確認したり、細い針で細胞を取ることにより診断します。
抗がん剤の投与が必要です。

インスリノーマ

フェレットに多い腫瘍です。インスリンを分泌して血糖値を下げる膵臓に出来る腫瘍です。
空腹時に涎が出て、進行すると発作で死に至ります。
食事療法やお薬で症状を抑えます。
当院ではステロイドでコントロールできない場合、ジアゾキシドという薬を使います

副腎疾患

フェレットに多い病気です。副腎からエストロジェンなどの性ホルモンの過剰分泌が起こります。
犬のクッシングとは異なる症状がでます。
背部の脱毛、メスの陰部の腫れ、オスの前立腺肥大による排尿障害は副腎疾患の特徴です。