犬は安産のお守りになっているので安産だと思われることがありますが、実際は難産で帝王切開の場合も少なくありません。
その場合、胎児だけでなく母体も命の危険があります。
難産の場合は速やかに帝王切開する必要があります。
ブリーダーさんの特別料金も設定してありますのでお問い合わせください。
①交配適期の診断
一般的には発情出血から10日~14日頃が交配適期といわれます。
当院ではスメア検査により大まかな目安をつけることが出来ます。
②妊娠診断
交配後最短30日以降にエコー検査をし、妊娠の有無を診断します。
交配後50日以降にレントゲン検査をし、胎児数の確認・胎児時の大きさの確認をします。
③妊娠期間
犬の妊娠期間は平均62日(58~64日の幅あり)といわれます。
④出産
出産1日前から体温の低下が見られます。基礎体温をチェックし、1℃以上低下したら間もなく出産です。
陣痛が起き、出産が始まります。20分~60分の間隔で出産します。
⑤出産後の対応
基本的には母犬が全て対応するので見守っていてください。
母犬が出産後の処置をしまい場合、飼い主様が羊膜や胎盤の処理をします。
人口哺乳が必要な場合もあります。
難産に対する帝王切開
下記のような場合は難産と判断し、早急に帝王切開が必要になります。
すぐにお問い合わせください。もし夜間・休診日で当院対応が不可能な場合、夜間動物病院にご連絡ください。
①大きな陣痛があるのに胎児が産まれない
②破水しているのに胎児が産ませない。
③胎盤や胎児の身体の一部が出ているのに産まれない
④母犬の具合が悪くなってきた
助産について
母猫(犬)が子供の世話をしなかった場合、人が助産をしなければなりません
①胎児は羊膜に包まれていますので羊膜を剝がしてください(手で簡単に破けます)
②臍帯(へその緒)を赤ちゃんから5mmくらの位置で糸で縛ってください。
臍帯から1cmの位置で臍帯を切ってください。(糸は胎児側に残す)
③羊水を排出するために頭と身体をしっかり押さえて軽く振り遠心力で羊水を排出させてください。(慣れていなければ拭く程度の方が安全かもしれません)
④乾いたタオルで濡れた身体を拭き、湯たんぽやヒートマットで温めてください(火傷注意)
⑤出産後6時間以内に初乳を飲ませ、免疫を獲得します。
人口哺乳・人工飼育について
①保温
子猫(犬)ちゃんは自分で体温を上げられないため、母猫(犬)が温めてあげます。
母猫(犬)が育児を放棄してしまうと子猫は低体温になり死んでしまいます。
直で触れないようにホッカイロをタオルでくるんで保温してください。
⓶排泄
子猫(犬)ちゃんは自分で排泄が出来ません。通常は母猫(犬)が舐めて刺激を与えて排泄を促します。
人工飼育の場合はその役目を人間がしなければなりません。
ティッシュでお尻を優しく刺激してあげてください。排尿は毎回します。排便は数回に1回しかしません。
③哺乳
母猫(犬)が育児を放棄してしまったらお家の人が人工哺乳をしなければなりません。
『仔犬・子猫用ミルク』と哺乳瓶を用意してください。細口で乳首が柔らかいものがお勧めです。3~6時間おきにミルクを与えます。
・哺乳瓶の乳首を吸いやすい穴の大きさに切り込みを入れます(穴が大きすぎると誤嚥してしまいます。)
・お湯を用意し、ミルクとお湯を適切な量で混和します
・排泄を促し、体重を計ります
・ミルクを与えます。お腹いっぱいになると自分で辞めます。飲みたい量を与えてしまって構いません。
・体重を測定します(ミルクを飲んだ量だけ体重が増えているはずです。体重が増えていなければミルクを飲めていません!!!)